現在、ミニ展示「江戸夫婦考」を開催しています。
江戸時代の夫婦を考える
江戸時代の理想の夫婦関係とは、どのようなものだったのでしょうか。
貝原益軒『家道訓』
夫婦は仲睦まじく、お互いにけじめを持ち、夫が敬い慎む気持ちをもって妻をリードすべきであると説いています。
そして夫婦がそれぞれの役目を果たし、責任を引き受けることが重要であり、夫の役割を家の管理・運営や家計などの家事、子どもの教育などとし、妻の役割を衣類や飲食に関する家事などとしています。
常盤潭北『民家分量記』
夫が妻を迎える前から親に心を尽くして孝行をしていれば、妻もそれに順応するものであり、夫が妻を大切にしないのであれば、妻が嫉妬心を起こすのは夫の責任であるとしています。
そして夫が清く正しく、妻が優しく寄り添い、お互いが仲良く親孝行をすれば、生まれてくる子どもも良い子になると説いています。
江戸時代は家名、家産、家業をいかに次代に引き継いでいくのかが最重要課題とされていましたが、そのためには夫婦がお互いを尊重し、親孝行をして、それぞれの役割を全うしていくことが大切であると考えられていました。
現代とは家に対する考え方や価値観は大きく異なりますが、夫婦関係の根っこにある部分は、それほど変わらないのかも知れません。
ミニ展示「江戸夫婦考」
会期:2019年6月15日(土)~7月31日(水)
会場:石見銀山資料館
※アイキャッチ画像は「福助とお多福」(国立国会図書館デジタルアーカイブ)