江戸時代の大森町は「宮前」・「下市」・「中市」・「新町」・「駒足」の五組に分けられていました。中市橋より上手を「中市」、下手を「下市」と呼んでいました。
下市には大森町最大の商家であり、掛屋や御用達などといった代官所の仕事を勤めた熊谷家があります。掛屋は領内の村から納められる年貢銀を検査・秤量する重要な職務を担いました。
また、中市橋の袂にある旧田儀屋(現青森家)は郷宿と呼ばれる施設で、村々から代官所に公用で来る村役人の宿泊、代官所の触書や廻状などの伝達、公文書の筆耕などの業務を行っていました。
代官所の所在地である大森にはこのような施設が6軒ありました。掛屋や郷宿は陣屋町ならではの施設です。