世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」登録決定!

アゼルバイジャンで開催されているユネスコ世界遺産委員会で『百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群-古代日本の旧墓群-』が世界遺産一覧表に記載されることが決定しました。

普遍的価値

世界遺産一覧表に記載されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている10の登録基準のうち1つ以上に合致する必要があります。
『百舌鳥・古市古墳群』について、世界遺産委員会では、登録基準(ⅲ)「文化的伝統・分明に関する唯一または稀な証拠」と、登録基準(ⅳ)「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」に合致するとの評価を得ました。

登録基準(ⅲ)

古墳は日本各地に16万基存在するものの、日本古代の古墳時代の文化を代表し、また類まれな物証を提供するものが百舌鳥・古市古墳群である。45の構成資産は、この時代の社会政治的構造、社会的階層差および高度に洗練された葬送体系を証明している。

登録基準(ⅳ)

百舌鳥・古市古墳群は、古代東アジアの墳墓築造のひとつの顕著な類型を示すものである。古墳、およびその有形の属性である土像、濠、幾何学的な段築をもち、石で補強した墳丘は、この歴史的に重要な時代における社会階層の形成のうえで顕著な役割を果たしたものである。

 

審議では、「規模の大小と多様な墳形により古代の社会政治的な構造が示された世界的にも稀有な物証である」「1600年にわたり守られ、現在では市街地にありながらも、高いレベルの法的保護のもとに保存管理された素晴らしい物証である」「開発圧力に対する住民運動によって保護された古墳が構成資産に含まれているなど、地域社会にも根差した資産である」ことも評価されました。

古墳群の近くで目にするのぼり

 

また、追加的勧告としては、「構成資産における無形的な側面に関する記録を継続すること」など、8項目が付されました。

構成資産

『百舌鳥・古市古墳群』は、4世紀後半から5世紀後半にかけて築造された45件49基の古墳群からなります。

百舌鳥地域(大阪府堺市)には、墳墓として世界最大級の規模、全長486mを誇る前方後円墳の大山(だいせん)古墳〔仁徳天皇陵〕など21件23基の古墳が分布しています。

大山古墳の礼拝所

 

古市地域(羽曳野市、藤井寺市)には、全長425mの誉田(こんだ)御廟山(ごびょうやま)古墳〔応神天皇陵〕など24件26基の古墳があります。

誉田御廟山古墳の礼拝所

 

これら2基をはじめ、49基のうち29基は、歴代の天皇や皇后らの陵墓として宮内庁が管理しています。

日本の世界遺産

これで日本国内の世界遺産は23件となりました。

内訳は、世界文化遺産が「石見銀山遺跡とその文化的景観」や「百舌鳥・古市古墳群」など19件、世界自然遺産が「屋久島」や「白神山地」など4件です。
なお、2020年の世界遺産委員会へは、日本から世界自然遺産として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が推薦される予定です。

 

〔参照〕「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産一覧表への記載決定について|文化庁
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1418407.html

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